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「ラクーンの人気者が大暴れ!ゾンビエレファントの大サーカス!!」
子供らを連れて動物園に行ってたんだ。子供と離れてベンチでタバコ吸ってた。子供の前でモクは吸わないたちでね。 そこは象のオリの前。だけど一向に姿を現しゃしねえ。で、実は裏で寝てた。目は開いてて、ただ悲しい目をしてたな。飼育係が心配そうに気遣ってるんだけど象の方ときたらその鼻をブンブン振り回して、誰一人寄せ付けようとしねえんだ。 ああ、こいつ死ぬなって。俺は涙が出たよ。なんせこいつは俺が10才の頃、20年以上昔にここで出会ってさ。以来、ここにくる時はいつもあいつに話かけてたもんさ。当時を思うとさ、無理。そこを離れたよ。で、子供らと合流して、その日は動物園を後にした。もうあの象には会えないんだろなって思いながら。 ところがその後日、再会だよ!しかも真夜中の動物園でな。いや、あれだ、俺のご自慢のライターが無くなったんで、もしやここに無いかなと思ってね。それで、あのベンチの前で俺はとんでもない光景を目にしちまった。 突然、壁がぶっ壊れて、あの象が出てきたの。俺は頭が真っ白さ。「お前ー、元気じゃん、心配してたんだぞ!」って駆け寄ったら、「うあぁー!!!」って悲痛な人の声が聞こえるのよ、象の足元から。よくみたら俺の仲間が潰れてた。いや、あれさ、一人じゃあれなんで一緒に来てもらったってわけ。 びびったね。 俺は商売あがったりだって事であえなく退散。ん?商売?ああ、試作の靴を試してたんだよ。結果は大成功、これのおかげで逃げ足が随分と速くなったよ。
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